作業療法士の山本です。
今回は訪問でのリハビリについて紹介したいと思います。
私が担当している女性のA様。もうすぐ「リハビリ卒業」を迎えます。2年4ヶ月の長いお付き合いですが、「自分らしい生活の再獲得」に向けての関わりの中で、たくさんのことを学ばせていただきました。
介入当初、脳梗塞で病院入院中は肩の痛みが強く、思うようなリハビリが出来ないままの退院。
その後、訪問での作業療法と自主トレを継続して徐々に痛みは改善。机上での巧緻動作や両手動作訓練、母としての役割である料理などの家事動作も相談しながら行いました。
リハビリ目標は「梨農家の手伝い」に設定!
その後のリハビリ目標は家業である「梨農家の手伝い」に設定!
まずは、体力をつけること、巧緻動作・両手動作の向上を意識しながら自宅別棟(階段あり!)で梨の箱に入れる梱包材を作成することからはじめました。
当初、1時間で作った梱包材は6個。セロハンテープを取りやすい位置に設置したり、訓練を兼ねて反対側に設置したりしました。
昨年は、梱包材を4000個作成しました
はじめは疲れもありましたが、徐々に頑張りの成果も出て、昨年はなんと・・・4000個作成!
その後、農舎で梨をビニールにパックする作業もできるようになりました。作業後、頑張りすぎて痛みがでることもあったので、しっかり休養もとってもらいました。
梨畑での応用歩行訓練も行いましたが、不整地歩行ははじめは結構疲れました。
疲労時には頼もしいご主人がマッサージしてくださり、リハに同席して動かし方を聞いてくださりました。ご主人も長年の作業で母指CM関節症が・・・でも農家は休めない!!との相談があり、適したサポーターの提案などをさせていただいたこともありました。
今年は、6000個作成!!!すっかり梨農家チームの一員に!
そして、今年は、畑に出ることも増え、3月には枝を拾ってまとめたり、9月には台風で落ちた梨を拾ったり。畑での作業も2時間続けて行えるようになりました。梱包材は今年は6000個作成!!!A様はすっかり梨農家チームの一員です。
私もご主人から「山本さん!うちの秘書頼むよ!」と言っていただき、すっかりチームに入ったような気持ちで訪問させていただいていました。
こちらはご主人からいただいたル・レクチェで私が作ったジャムの写真です。
梨の花言葉の「愛情」は、たくさんの大きな実をつけ、まるで感謝しお礼をしているかのような姿にちなむといわれます。2年4ヶ月の訪問の中で、お子さんやご主人、ご家族への愛情の深かさと妻・母としての強さ・優しさにたくさん触れさせていただきました。
梨も在宅でのリハビリも小さな積み重ねが必要です!
梨は一年を通して様々な手入れや工程を必要として、きれいな花が咲き大きな実をつけます。
在宅でのリハビリも小さな積み重ねが必要です。
その先に「自分らしい暮らし」という新しい花を咲かせ、大きく実るためのお手伝いができるよう、私も日々勉強していきたいと思います。